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XMLデータベースとAjaxの熱い関係「第6回:Webカタログに求められるニーズ」

利用者から見たWebカタログ

前回は、システム開発側の立場から、Webカタログに要求されるデータベースの資質を検討した。その結果、素早く手軽に新しい項目を含むデータを追加するというニーズを満たすには、RDBMSでは正規化の再実行、スキーマ必須のXMLデータベースではスキーマの変更という手順が決定的な障害になってしまうことを説明した。つまり、Webカタログは、NeoCoreXMSに代表されるスキーマレスのXMLデータベースなら「より上手に」実現できるのではなく、「それを使わねば」実現できないものだったのである。

実は、そのような応用事例はWebカタログだけに限ったものではなく、世の中には多くの応用が眠っていると言える。そのうちの一部は、完全にニーズを満たさない形でRDBMSで実現されている例もあるし、また別の一部は実現不可能と諦められ、当事者も忘れ去っているケースもある。

さて、Webカタログならではの事情は、データベースだけに存在するわけではない。そのことを利用者から見た視点で考えてみよう。

利用者がWebカタログを見る理由は大きく分けて2つあり得る。

1つは、意図した製品をある程度明確に意識して、それを探す場合である。そして、もう1つは特に特定の商品を意識せず、カタログを眺めて愉しむ場合である。

素早く製品を探す

最初のケースで最も重要なことは、目的の製品の情報をいかに素早く引き出すかである。

まず、当たり前のことではあるが、操作しやすく分かりやすいことが必要である。条件を柔軟に指定できる検索機能も必須だろう。素早く結果を返す迅速さも必要とされる。

しかし、Webカタログの分野では、これが簡単な話に収まらない。なぜなら、製品の種類によって記録された項目の種類が異なるため、検索条件の指定1つにしても、検索対象の製品が変われば、条件指定の方法も変わらざるを得ないためである。

たとえば、たいていの製品はサイズを指定する時に、縦、横、高さの3つの数字で示すことが多い。しかし、パイプのような形を持った製品は直径(あるいは半径)と長さの2つの数字で示すこともある。つまり、検索する対象が変われば、条件指定の入力欄がガラッと入れ替わると言うことだ。

つまり、Webカタログでは、まず製品の分野を素早く指定する機能性が必要とされ、それによって的確な入力欄を持った検索ページを素早く提示することが必要とされる。

さて、これとは別に欲しい機能性は、新製品もすぐに検索できる即応性だろう。たとえば、新製品の発売を発表したら、その直後には既にその製品の情報が検索可能になっていることが期待される。もちろん、「弊社サイトに掲載されたプレスリリースにスペックが書かれています」と言ってそれを見るように促すという手もあるが、普段からWebカタログを使っている利用者なら、まずプレスリリースよりもWebカタログを試すだろう。

このことは、逆に言えば、利用者が気付いていない新製品に気付いてもらうチャンスでもある。利用者がWebカタログで検索を行って製品を探していれば、同じ条件を満たす新製品が即座に検索結果に出て、それだけ認知度を上げていくことができる。

多数の製品を眺める

Webカタログは、特定の製品を素早く探すだけでなく、様々な製品を眺めることもできる。単に見ているだけで面白いというケースもあるし、暇つぶしに眺めることもあるだろう。そして、そういった作業は決して無駄にならない。どのような製品があるか......という大まかな知識があれば、いざ何かが必要とされたときにWebカタログからそれを見つけ出す手間が大いに節約できる。

そのために要求されるのは、素早く検索を試行錯誤し、様々な可能性を網羅的に見ていく機能性である。より具体的に言えば、どのようなカテゴリの製品がこのWebカタログには含まれ、それらを検索する検索ページを素早くカテゴリごとに切り替える......といった機能性である。カテゴリを切り替えるために、いちいち長い時間待たされたりすれば、興ざめとなる。また、結果を見て、その結果を基に素早く次の検索を行う対話性も重要といえる。

ちなみに、このような機能性は、特定の製品を探したいが具体的な条件が思い浮かばない場合にも有効である。

その他の要求

Webアプリケーションを高機能化し、使い勝手を向上させる技術は世の中に多数ある。更に、極論を言えば、Webアプリケーションであることをやめ、データベースと通信を行う専用ソフトとしてWebカタログクライアントを作成すれば、ネイティブアプリケーションが可能な高度で使いやすいソフトが実現できる。

しかし、Webカタログを使いたい......というニーズの裏には、Webブラウザが1つあれば利用できる手軽さを求めるニーズが存在する。それゆえに、利用のために特別な準備手順を不要としたり、Webブラウザ以外の特別なソフトウェアを要求しないことをは必須の要求となる。

たとえば、新製品の追加により、検索可能な項目が増えた場合であっても、新バージョンの検索ソフトをインストールしなければ使えない......というような構造はニーズを満たさないのである。

次回予告

上記のような要求を満たす最も有力な技術としてAjaxが存在する。次回は、スキーマレスXMLデータベースとAjaxを組み合わせることで、最も優れたWebカタログを作成しうる可能性について、語ってみたいと思う。


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